
生成AIでM&Aを活性化したい!プラットフォームをゼロからつくったCTOが描く、ユーザーの想像を超えるUX
2023年8月18日、M&Aクラウドは4名の執行役員就任を発表しました。その一人、CTOを務める荒井は、創業期からM&Aクラウドを支えてきたメンバー。先日プレスリリースした当社の生成AI活用を含め、プラットフォームの開発全般をリードしています。
今回は、当社のプラットフォームをゼロから創り出し、エンジニアチームの採用も担ってきた荒井がこれまでの歩みを振り返りつつ、未来のM&Aマッチングプラットフォームの姿を語ります。
荒井 和平(あらい かずへい)
株式会社M&Aクラウド 執行役員CTO
東京工業大学 経営システム工学科卒
大学在学中からITスタートアップでエンジニアとしてインターンし、求人サイトの開発やECサイトの開発を主導。2014年新卒で株式会社ドワンゴに入社し、ニコニコ静画サービスにおいて、Web開発を担当。また、関連サービスのニコニコ漫画アプリではiOS開発に参加。当アプリは両プラットフォーム(iOS、Android)累計100万ダウンロードを突破。2017年1月M&Aクラウドに入社。M&Aクラウド・資金調達クラウドのサービス立ち上げ、開発組織の採用・マネジメント全般を手掛ける。
スタートアップを楽しみ尽くす!創業期のカオスが生んだ「マルチなCTO」
――荒井さんは共同代表に次ぐ3人目のメンバーとして、M&Aクラウドを支えてきました。プロダクト開発を率いてきたのはもちろん、それ以外の分野でもマルチに活動してきましたね。
入社以来、Webマーケティングのような畑違いの分野も含め、いろいろなことに関わらせてもらいました。その経験は私の財産です。もともと好奇心で動く性格で、幅広く首を突っ込んでみたいタイプなので、すべてを楽しんできました。
特に、創業期に資金調達に奔走したことは学びの多い経験でした。提案トークに関して、だいぶ鍛えられた気がします。今、スタートアップのカンファレンスなどの場で、当社のサービス利用がハマりそうな人を見つけ出しアプローチできるのも、そのおかげかもしれません。
――当社プラットフォーム上で4億円規模の資金調達に成功した企業に声をかけ、ユーザー登録へとつなげたのも荒井さんでした。社内では「営業のできるCTO」と呼ばれています。
創業期からいる人間として、社内の各サービスを把握している分、相手の課題感に応じたサービスを提案できることは強みだと思っています。
採用で苦労してきた経験も役立っています。1名採用するには、リードを何件取って、面談を何件しないといけないか、KPIを割り出して実行する。この感覚が身に付いているので、営業的な結果を求めることにも馴染みやすいのかもしれません。
ただ、私だけでなく、当社の経営陣は全員、会社のためなら何でもやる気持ちを持っています。それぞれが自分の専門知識や人脈を使い、チャンスを最大限に活かしていく。M&Aクラウドの「らしい」部分だと思っています。
複数プロダクト化の先へ。AIで変わるM&Aマッチングの未来
――M&Aクラウドは昨年11月、「M&Aクラウド」に次ぐ2つ目のサービスである「資金調達クラウド」をローンチしました。複数プロダクト化を果たし、今後は会社として、また開発部門として、どんなチャレンジをしていくのでしょうか?
「資金調達クラウド」は、ローンチ時の記事でCEOも語っているように、ユーザーのニーズから生まれたプロダクトです。
M&Aのマッチングプラットフォームとして提供していた「M&Aクラウド」で、資金調達の成約が自然発生的に生まれてきました。運営側の私たちも想定していなかった使い方をユーザーに教えられたのです。そのニーズをすくい上げる形で、資金調達に特化したサービスの開発に至りました。
そもそもM&A業界は、テクノロジーの活用が遅れている業界です。一方、会社と会社ではなく、会社と人を結ぶ人材ビジネスにおいては、早くからマッチングプラットフォームが活用されてきました。その人材業界では、新卒採用向けと中途採用向けのサービスが分かれているのはもちろん、最近は「フリーランス向け」「副業向け」「主婦向け」などさまざまなニーズに応じたサービスが生まれています。
M&Aやファイナンスのサービスも、今後は人材業界と同じように細分化していくでしょう。当社も将来的にはマッチングに留まらず、案件管理、デューデリジェンス、PMI(Post Merger Integration:M&A後の統合プロセス)など、多彩な領域でサービス提供していくことが考えられます。
――そうした流れの中で、開発部門としてはどのような役割を担っていくのですか?
「M&A×テクノロジー」で何ができるのか、現時点での考えをまとめたのが下の図です。

創業から今までは、「M&Aをオープン化・効率化していく」に注力してきました。M&A業界にマッチングプラットフォームを投入し、売り手と買い手が直接つながれる世界をつくることがファーストステップ。そのうえで、マッチング以降、成約に至るプロセスも含めたDXに取り組んできました。
これから「データによってM&Aを高度化していく」部分にも手を広げていきたいと考えています。現在、注力しているのは、潜在・顕在顧客に関する社内外のデータを連携させ、必要なときに必要な情報を瞬時に取り出せる仕組みをつくることです。
マッチング精度の向上に関しては、まだ少し先の話ですが、ここはAI活用による飛躍的な進化が期待できます。私自身、今からワクワクしているところです。
――どんな可能性があるのか、少しだけ教えてください。
これも人材マッチングの例でお話しすると、イメージしやすいと思います。例えば、検索軸に関して、人材マッチングの一般的な軸は「エリア」「職種」「給与」あたりですよね。ここにユニークな検索軸を追加することで、他社サービスとの差別化につなげる手もあります。
一方、M&Aの場合は、売り手も買い手とも、どんな会社が理想のマッチング先なのか、ユーザー自身が明確化できていないケースが多い。検索軸の立て方よりも、レコメンド機能の進化によって、ユーザーやアドバイザーには盲点になりがちな提案ができるとよさそうです。AIの力をうまく使って、M&Aのマッチングに革命をもたらしていきたいと思っています。
開発は100%内製。事業に明るいエンジニアチームだからできること
――AIをはじめとする新技術の導入に関しては、荒井さんはどんな考えを持っていますか?
バズワード的に取り上げられる技術トレンドの中には、一時のブームで終わるものもたくさんあります。ただ、今、話題の生成AIに関しては、技術の歴史が変わるんじゃないかと期待しています。スマートフォンの登場と同じくらいのインパクトをもたらすのではないでしょうか。
近い将来、あらゆるサービスで生成AIが使われていることが当たり前になるでしょう。一般の消費者も「このサービス、使い勝手が悪いね。AI入ってないのかな?」などと言い出す時代が来ると思います。
M&Aクラウドのプラットフォームでは、すでに企業情報の入力補助に生成AIを導入しています。今後は、M&A意欲の高い会社の抽出、成約確度の判定などに活用することも検討中です。
――生成AIの活用に関しては、先日テレビ東京の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で当社の取り組みが取り上げられ、荒井さんも出演しました。社外への技術発信も、M&Aクラウドの開発部門が力を入れてきた部分ですね。
エンジニア採用の競争が激しい中で、他社との差別化ポイントにしたいと考えてきました。発信力に長けたメンバーの入社をきっかけに、M&Aクラウドの開発者ブログを開設。「全員インフルエンサー」を掲げ、各メンバーがブログ執筆やイベント登壇にどんどんチャレンジしています。
昨年は、技術発信リーダーの久保田さん、私、他社エンジニアの共著の形で、『プロフェッショナルWebプログラミング Laravel』という技術書も出版しました。最近は技術カンファレンスなどでも、M&Aクラウドを知ってくれている人が多くなり、認知度アップを実感しています。
――執行役員CTOとして、今後の抱負をお話しください。
当社の開発部門は、100%社員エンジニアで構成されています。事業と技術トレンドの双方を深く知るメンバーがそろっているからこそ、新しい技術もスピーディーに採り入れられる。この強みを活かし、M&A・ファイナンスのプラットフォームとして、他の追随を許さない地位を築いていきます。
最近のM&Aクラウドは会社としてのフェーズが進み、各ポジションに必要なスキル・経験を備えた、強い人材が入ってくれるようになりました。前の会社でそれぞれ結果を出してきた人が集まり、パワーアップを感じています。
会社のミッション「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」の根幹を担う私たち開発部門も、もちろん負けるつもりはありません。エンジニアチームのパワーを数・質の両面で高めつつ、ユーザーの期待を超えるUXを届けていきます。
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