
スタートアップだからこそ経験できるM&Aアドバイザーのネクストキャリアの可能性とは?
前回に続き、M&AクラウドのM&A Cloud Advisory Partners(MACAP)が開催した、M&Aアドバイザーとしてのネクストキャリアに関心を持つ方に向けたオンラインセミナーの模様をお届けします。
ご紹介するのは、2023年1月24日に開催された「BiG4FAS・総合商社出身者が語る M&Aアドバイザーのネクストキャリアを考える 自らの市場価値を上げ、さらなる高みを目指す人材へ」のパネルディスカッション。MACAPを率いる福田と、MACAPを経て、現在は新規事業「エージェントプラットフォーム」の立ち上げを担う小林の2名が登壇しました。
後編では、参加者の皆さんの質問も受けながら、MACAPでの経験をベースに描けるネクストキャリア、MACAPで活躍できる人材などについて語り合いました。
※前編はこちらからご覧ください!
■登壇者プロフィール

写真左:福田 一樹(M&Aアドバイザリー事業部長)
新卒で住友商事に入社し、船舶事業部にて、欧州顧客をメインに日本建造船のトレードビジネスに従事した他、パートナー企業との共同出資会社のマネジメントを担当。また、船主(船のオーナー)向けの融資事業ファイナンス事業を行うべく、メガバンクや地方銀行、船主へのヒアリングに基づいて新規事業を企画立案。その後、NASDAQ上場会社を対象企業としたクロスボーダーM&A案件を担当。2020年7月にM&Aクラウドに入社。M&Aアドバイザーを経験した後、現在はM&Aアドバイザリー事業部の部長を務める。
写真右:小林 広宜(エージェントプラットフォーム事業部長)
新卒でIBM株式会社に入社。その後デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にてTMT領域のM&Aアドバイザリー業務等に従事。また、デロイトトーマツ合同会社にて投資部門(自社が買い手としてM&Aを実行する)の立ち上げを行い、投資担当マネージャーとして複数の投資を実行。2021年8月よりM&Aクラウドに入社。M&AクラウドではM&Aアドバイザリー事業部のプレイングマネージャーを務めた後、新規事業であるエージェントプラットフォーム事業部長を担当。
※モデレーターは、M&Aクラウドの人事担当者が務めました
M&Aクラウドでの経験を、どう生かす?
—— キャリアプランについて、少し長期的な目線で伺いたいと思います。おふたりは、10年後にどんなキャリアを築いていたいと考えていますか。
福田:まず、自分が部長を務めているアドバイザリー事業部を、ここから数年でしっかりつくり上げたいと思っています。そのうえで、10年後には、新しい事業をつくる「0→1」的なチャレンジがしたいです。現在「1→10」フェーズを担当しているからこその想いだと思います。
また、将来的には、M&Aクラウドよりも歴の浅いベンチャーにジョインして、ここでの経験を生かすキャリアもありかなと思っています。私は社員20名程度のタイミングでM&Aクラウドに入社したので、それより早い段階の、立ち上げ間もない組織で成長を感じてみたいと漠然と考えています。
小林:私はトータル10年ほどM&Aアドバイザーとして働いていますが、このキャリアにすごく納得感がありますし、やはりいい仕事だなと常々感じています。業務をピボットすることもありましたが、軸はやはりM&Aです。「M&A × マネジメント」や「M&A × 新規事業」という形で、やりがいのある挑戦を常に与えてもらっています。
ここから10年後でいうと、「ピボットの先のピボット」も模索してみたいです。マネジメントと違う職業をかけ合わせたり、新規事業を違う業種とかけ合わせたり、自然とそんなチャレンジをすることになる予感がしています。
もともと私は、流れに身を任せるというか……目の前に来た縁を掴むタイプなんですよね。なので、結論としては、今後のM&Aクラウドの変遷によって、私自身のキャリアも変わってくるかな、と感じています。
Q&A① M&Aクラウドの成長を支えた核心は?
—— ここからはQ&Aセッションということで、参加者の方にいただいた質問をお聞きします。まず「会社初期に知名度のないなかで、どのように関係企業から信頼をもらえたのか」。福田さんいかがですか。

福田:アドバイザリーチームの立ち上げに関していえば、「メンバーのバックグラウンドの強力さ」があったと思います。投資銀行出身のメンバーや、会計士の資格を持っているメンバーがいたことで、個人として信用を得られたのではないでしょうか。
また、スタートアップのM&Aを手がけるなかで、クライアントの事業を深く理解できるかはとても重要です。時代の最前線を走る事業をやっている企業・経営者に対して、事業概要やマネタイズポイントが分からない……となると、どんどん信用を失ってしまいます。
その点のキャッチアップがチームとして素早くできていたのも、信頼をいただくことができた一因になっているかもしれません。
—— 「対象企業を成約後にどこまでフォローしますか」というご質問もいただいています。
福田:いわゆる「PMI」ですよね。成約後のフォローは、事業の優先順位的にまだ取り組めていないのが現状です。
しかし、PMIも含めてM&Aだと考えていますので、将来的には必ずやっていこうと思っています。
Q&A② 現役メンバーが語る、スタートアップ転職裏話
—— 次は「大手企業からのご転職で、周りの方やご家族の反対はありましたか」とのことですが。
福田:僕はなかったですね。先ほど小林さんが言っていた「自分が結果を出せば会社は前に進む」という点で、妻からの理解が得やすかったのかなと思います。
実は転職するかどうか悩んでいて、コロナが来たタイミングで勢いで決めたところはあったのですが(笑)、当時は28歳でしたし、万が一何かあってもなんとかなるだろう、という感じでした。
小林:当時は子どもが生まれて半年くらいでしたが、僕も反対はされませんでした。福田さんと同じく、「自分次第で会社も前に進む」という点が一番大きかったように思います。
—— 次は小林さん宛のご質問です。「新卒で入社した日本IBMで培ったITの知識や経験は、現在の業務にどのように生きていますか?」。

小林:間違いなく言えるのは、「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションを掲げるM&Aクラウドにおいて、ITの知識や経験は事業を加速してくれる重要なツールになっているということです。
もちろん、全員が今すぐIT知識を生かして画期的なツールをつくれるかというと、そうではありません。しかし、ITの知識があるほど、より多く挑戦の機会が巡ってくる感覚です。
実際にアドバイザリーチームには、過去にSIerで働いていたメンバーがおり、彼はデータプロセスのリエンジニアリングプロジェクトでも活躍しています。やはり「M&A × テクノロジー」というハイブリッドの知識があると、業務の幅が広がるわけです。
これは前職でM&Aアドバイザー業務のみをやっていた頃には感じなかったので、M&Aクラウドだからこそだと思います。
Q&A③ MACAPで活躍できる人材は?
—— 次は「MACAPに所属するアドバイザーの動機や将来像などをお伺いしてみたいです」という質問です。
福田:会社全体として共通しているのは、「スタートアップM&A」や「DX」というキーワード、そして弊社のミッション・ビジョンに共感して入社してくれていることだと思います。
アドバイザーの動機としては、短期的には「スタートアップM&Aに関わる」「アドバイザリー業務のDX」「同世代の優秀なメンバーと一緒に働く」という点が入社理由としてよく聞かれます。加えて、長期的には「M&Aクラウド」「資金調達クラウド」というプラットフォームで勝つことに意義を感じているメンバーが多いです。
そのなかで、アドバイザーを経験した後にプラットフォーム事業に携わったり、何か新しいサービスをつくったり、そういった個人キャリアを想定しているメンバーが多い印象ですね。
—— 「事業会社でのM&A業務経験がある人材が取り得る今後のキャリアパスについてご意見をいただきたいです」との質問も来ています。
福田:事業会社の「内側」で動いていた立場から、外に出てM&Aアドバイザーを経験するのは、新しいチャレンジとして非常にいいのではないでしょうか。MACAPには、自分の他にも事業会社でM&Aを担当していたメンバーがいます。
MACAPのクライアントである買い手の中には、「これからスタートアップM&Aに取り組みたい」という企業さんが多く、「社内のM&Aプロセス整備が追いついていない」「何から始めるべきか分からない」といった声が多く聞かれるので、事業会社での経験が大いに生きるはずです。
自分も前職の商社でM&A案件を担当しましたが、そのときの経験が今、買い手さんとのコミュニケーションで生きています。
—— 最後に「どのようなバックグラウンドを持つ人材を採用しますか」との質問を頂きました。
福田:バックグラウンドはもちろんですが、ミッション・ビジョンへの共感を一番大事にしていますね。たとえば、会社のバリューである「1 Team」は非常に大事にしてるので、そういう部分に共感いただける人であれば、ぜひ一緒に働きたいです。

"1 Team" 1つのチームでチャレンジしよう。
スタートアップは、まるでジェットコースターのような「人生の非日常」。
やればやった分だけ、会社は伸びる。
やりたい時はやりたいだけやる!そんな働き方ができるのは、今だけかも知れない。
どうせやるなら、みんなでやろう!
誰かのチャレンジはみんなで応援し、成功したらみんなで喜び、うまくいかなくてもみんなで補う。
喜怒哀楽をみんなで共有できるエモいチームで1つになろう。
ことアドバイザリー事業部に関しては、M&Aに関する知見やノウハウが一定以上あることが前提となります。
しかし、たとえばプラットフォーム事業部などは、ジョイン時はM&Aに関する知見のなかったメンバーが大半です。なので、本当に会社に共感してくださる、同じ方向に向かって働いてくださる方であれば、ぜひ仲間になっていただきたいです。
—— MACAPにも、さまざまなバックグランドを生かして活躍されているメンバーがいますよね。
福田:FAS、投資銀行、VC、仲介、事業会社など、さまざまな経歴のメンバーが集まっています。そんなバックグラウンドの良いとこ取りができれば、仲介でもFASでもない、「MACAP」という独自の組織がつくれるはず。それでこそ意義があるし、自分の使命だと思っています。

文・山崎真由 編集・オバラミツフミ
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