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大手出身FAが語る、スタートアップM&A企業で働くってどう?

投資銀行や総合商社、FASなどでM&Aの現場を経験してきたメンバーが集まる、M&Aクラウドのプロフェッショナル部隊、M&A Cloud Advisory Partners(MACAP)。今年2月のDeNAによるスポーツクラブ相模原への資本参加支援を皮切りに、続々と成約を生み出し、組織規模も急拡大しています。

大手企業からスタートアップへの転職という思い切った決断をしたメンバーたち。新天地のMACAPでどんな思いを抱き、日々の業務に当たっているのか――大手企業との環境の違い、自社のマッチングプラットフォームとの関わり、チームとしての特徴など、中から見たMACAPの今を、メンバーたちが語り合いました。その模様を2回に分けて紹介します。

フラットで独立性重視。大手ではあり得なかった身軽さがある

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▲左から、源 道直(総合商社出身)、岸 貴大(投資銀行出身)、福田 一樹(総合商社出身)

――職場としてのMACAPについて教えてください。大手企業との違いを感じるのはどんなところですか?

岸 前職では常にチームで仕事をしていたので、今、一人で顧客を担当できるのは大きな違いです。裁量を持たせてもらえることには当然責任も伴いますが、僕はむしろ身軽になった感覚が強いです。前は、たとえば上長とその上の役員で意見の相違があったら、その取り持ちをしないといけないとか、社内に階層が多いゆえのストレスがかなりあったので。

福田 大手では上長に合わせて、「この人はこう進めたがるタイプだから、こういうふうに持っていくのが正解かな」と考えながら、稟議とかを進めていくのが求められる仕事のスタイルですよね。そういう部分の感度の高さが常に問われている。

MACAPの場合、どういう仕事の進め方をするかは本人次第だし、自由度の高い働き方が好きな人たちが集まっています。そこは、人によって社内の空気を読みながら仕事を進めるスタイルの方が合っているケースもあると思うので、一概にどっちがいいとは言えないですけど。

近藤 僕は前職で、お客さんに提出する資料を作成するとき、「このお客さんにはこういう提案の仕方の方がよさそう」というアイディアがあっても、立場上なかなか実現しづらいのがフラストレーションでした。トピック順にしても、表現方法にしても、言葉遣いにしても、結局上長の好みに合わせざるを得ない部分があって。

小松 僕も、上長や先輩を飛び越えて、お客さんに提案したりするのは基本NGでした。あと社内のミーティングでも、MACAPでは自由に発言できますよね。

岸 みんな歳が近いし。

小松 僕が今まで出会った中には、「下っ端は意見など出さなくていい」という考えの人もいたので……。MACAPではやることさえやっていれば自由に振る舞えるので、変なストレスがない。その違いはすごく大きいです。

顧客は経営者。対応スピードは絶対に落とせない

源 そういう意味では、僕は前職で比較的自由に動けていた方かな。ただ、商社では社内決裁が必要な事項が多くて、そこに時間も労力もかなり取られてました。今は社内で確認を取る場合でも、基本、当日か翌日には結論が出て、お客さんに回答できる。以前は1、2週間待つのが普通だったので、仕事のスピード感は全然違います

福田 自分の急いでほしい度合いと、社内の反応スピードにギャップがない。大組織だと、自分は早くレスポンスがほしいと思っても、その温度感が伝わらないことも多いですよね。ボールを投げてもなかなか返ってこない状況って結構ストレスでした。

今はすぐに回答をもらえるか、少し時間がかかりそうなときでも、いったん「いつまでに対応します」と返してもらえる。ボールが浮かないように、みんなが考えて動いてくれます。

近藤 社内のやり取りをSlackでできるのがいいですね。メンションした人以外のメンバーも見ているし、返事を放置されることがない。

村上(事業本部長) MACAPの仕事では基本、相手は経営者ですから。自分で決裁できる人たちなので、こちらもすぐリアクションしないと、「こいつはだめだな」と思われて終わり。スピード感はむしろ必須です。そこについてこられない人にとっては、きついかなと思いますね。

成功も失敗も自分に残る。だから速く成長できる

――MACAPの業務で、社内確認が必要になるのはどんな場面ですか?

源 今まであったのは手数料の設定の話かな。

岸 でも、そこも最近は一定裁量持たせてもらってますよね。

源 確かに。

村上 MACAPでは、もともとマイクロマネジメントはしない方針ですが、最近はさらにメンバーに権限をどんどん委譲しています。手数料設定もそうですし、担当先の選択についても、今は社内審査を緩和して、基本的には個人の判断で進められるようにしています。

ある意味リスクでもありますけど、そもそも自分で考えて動けるメンバーを採用しているので、そこは信じてますね。「それをすることで目標達成に近づくと思うなら、自由にやってください」というスタンスです。

福田 自分の判断でアクションするということは、成功体験もミスも、全部自分に残るんですよね。組織で意思決定していると、たとえお客さんに怒られても、「チームで相談したことだから」「上の判断だから」という逃げ道がある。MACAPでは、自分なりの工夫を即、お客さんに出せる一方で、それが響かなかったときは、結果がもろに自分に返ってきます。上長や先輩の指導というより、お客さんの反応から直接学べる分、成長速度は速い環境だと感じています。

買い手のニーズをオープンにする思想

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▲左から、近藤 怜史(投資銀行出身)、三浦 健嗣(投資銀行出身)、小松 元(FAS出身)

三浦 みんなの言う通り、大手の仕事の進め方には、確かに制約も多いですよね。でも、私はそれには慣れていて、やりづらさを感じたことって実はあまりなかったんです。それより私にとって、M&Aクラウドの一番の魅力は、買い手のニーズを掲載するマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」を運営していること。最初「M&Aクラウド」を知ったときは衝撃でした。業界を根本的に変える力を持ったサービスだと思い、そこに興味を感じて転職を決めたんです。

岸 買い手のニーズをオープンにするって、実際、画期的ですよね。普通、M&A業界の人間にとって、自分が知り得た買い手のニーズは個人資産なので。その人だけが知っている情報に照らして、フィットする案件をいかに入れていくかが優位性ですからね。

三浦 だから、買い手のデータを蓄積している大手の仲介会社は強かったし、成約実績があるから、ますます案件が集まってくるという世界だった。でも、「M&Aクラウド」みたいに買い手の情報をオープンにするサービスが出てくると、独自の情報量イコール優位性ではなくなっていきますよね。これからはむしろサービスの使いやすさ、UIで差がついていくんじゃないかな。「M&Aクラウド」はそういう転換をもたらしたプラットフォームだと思うので、今、社員としても業界人としても、すごくワクワクしています。今後どこまで進化させていけるか。

近藤 業界内でも、買い手の情報を集めるために結構見られてますよね。

三浦 買収戦略なんかは各社のIRサイトで見られますけど、それを探しに行くのもそれなりに手間ですから。買収戦略に関わる情報が1カ所にまとまっているのは、かなり便利だと思います。

プラットフォームがあるから、多彩なニーズに応えられる

源 僕は商社にいたときは買い手側でしたけど、M&A戦略って社内で持っているつもりでも、実際は明確化できていないことも多いと感じてました。「M&Aクラウド」により、きちんとストーリー立てて、社外に明確なM&A戦略を発信するというのは、買い手の社内にとっても、外から見られる緊張感を持ってM&A戦略を言語化し、共有できるメリットがあると思います。

一方で、買い手の中にはプラットフォームで公開したくない戦略もあってしかるべきなので、そこに対しては僕らMACAPがサポートしていく。その両軸を買い手に提供できるのは、価値が大きいのかなと。

小松 両軸あることで、買い手の経験値に見合ったサービスを選んでもらうこともできますよね。MACAPから買い手にアプローチする中で、先方が「自分たちで動けるので、アドバイザーはあまり付けたくない」というニーズを持っているケースもあります。そういう買い手には、僕らからプラットフォームを紹介できます。

近藤 売り手に対しても、僕らがお客さんと面談させていただく中で、規模感などによっては、プラットフォームの利用をおすすめする場合もあります。サポートをお断りするのではなく、社内の別サービスを提案できるのはいいですよね。

岸 プラットフォームがあるおかげで、お客さんを切り捨てなくていいのは本当に嬉しいです。前職で課題感を持っていた部分なので。

源 逆に、プラットフォームに登録した企業も、売り手のニーズによってはMACAPで担当することもありますね。フルにサポートするケースもあれば、バリュエーションが適正かどうかだけチェックしてほしい、スキームに関してだけ相談したいなどの部分的なリクエストに対応することもあります。自分が担当する部分は小さくても、それで成約に貢献できるなら、やりがいはありますね。

社内一丸! 1週間で新サービスがスタート

岸 一方で、源さんは今、CFOコンサルもやっていて、ああいう仕事ができるのも面白いなと思います。新サービスとして提案してから実現するまで、すごく速かったし。

――CFOコンサルとは?

源 僕は今、スタートアップ企業A社の資金調達をサポートするため、CFOとして業務委託の形で入っています。もともと去年、入社したときから、スタートアップファイナンスに携わりたいという希望は持っていて、社内にCFOがいないスタートアップのニーズに応えて、がっつりサポートできるサービスの形を模索していました。今年1月くらいから、実際にお客さんの声を聞きながら輪郭を固めていたところ、4月にA社から、「ファイナンスの知識があまりないので、教えてもらいながらサポートを受けたい」とドンピシャなリクエストを頂いたんです。

岸 そこから料金体系含めて設計して、新サービスとして社内承認を取って、実際にA社に提案するまでが2日くらい?

源 ですね。A社側の動きも速かったので、トータル1週間でサービス契約を締結できました。

岸 あのスピード感は、前職では考えられないです。ここでは経営陣とも他部門とも距離感がないし、新しい取り組みに抵抗を持つような人もいないし。社内の関係者に資料をチェックしてもらうやり取りもSlackだから、「お願いします」だけ添えて、サクッと投げられるのもいいなと思います。

DIY精神で、スキルの幅を広げていく

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▲右から、村上 祐也(事業本部長、投資銀行出身)、山田 智仁

山田 スピード感でいうと、僕は先日のロングリスト機能の改修プロジェクトが、あっという間に終わったのにびっくりしました。MACAPの定例ミーティングで課題共有があってから、改修版が使えるようになるまで、1、2週間でしたっけ。

三浦 確かに。その場でチームアップして、すぐ動き出しましたよね。

小松 あの機能、めちゃくちゃ助かります。今回の改修で、プラットフォーム上の買い手ニーズ、社内の掲載営業部隊がヒアリングしたニーズ、MACAPが持っているニーズが一元化されたのも大きいです。ロングリスト作成時、社内にある情報を一発で検索できるようになりましたから。

山田 ツールの改修をアドバイザリーのチーム内でできるってなかなかなくないですか? しかも、担当した二人のフットワークが軽く、どんどん関係者を巻き込んで。

岸 スタートアップですからね。やりたいことがあったら、まず自分から動かないと。

村上 必要なときはもちろん、社内のエンジニアにサポートしてもらうとか、そういう体制も取れるし。会社としても組織としても、これからつくっていく部分が大きいから、そこはチャレンジングでもあるし、いくらでも新しい経験ができる余地があるとも言えますよね。

そういえば、三浦さんと岸さんには、MACAPのウェブサイト立ち上げを担当してもらいましたけど、あれも初めての経験だったんじゃない?

三浦 まさに貴重な経験でしたね。まず、業界用語が謎でした。「ワイヤーって何?」みたいな(笑)。

岸 「アイキャッチって何?」とか(笑)。エンジニアにもサポートしてもらいながら、デザイナーとやりとりしたり、カメラマンと交渉したり。戸惑うこともありましたけど、あの経験のおかげで、多少なりともブランディングの観点から、MACAPのあり方を考えられるようになり、プラスになったと感じています。

後編に続きます


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