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入社半年で10億円超案件を成約させた女性アドバイザーが描く未来。ミッシングパーツを補い合うM&Aを生む目利きに

投資銀行や総合商社、FASなどでM&Aの現場を経験してきたメンバーが集まる、M&Aクラウドのプロフェッショナル部隊、M&A Cloud Advisory Partners(MACAP)。2020年2月にMACAPが発足して以来、最大規模となるM&Aの成約が今年5月に決まりました。本件を担当したのは、2021年11月にジョインした康。大手会計系アドバイザリーファームからM&Aクラウドに転じ、半年という早さでした。

前職では100人規模のプロジェクトチームの中で業務を担当していた彼女がなぜ一人で大型案件をクロージングできたのか、今の彼女にとってのスタートアップM&Aの意義とやりがいとは――率直な思いを尋ねたインタビューをお届けします。

康 量喜(かん やんひ)■国際基督教大学卒、London School of Economics 修士課程修了。2021年11月よりM&Aクラウドに入社。PwCにて、M&Aの戦略策定やM&Aの実行に従事。海外事業譲渡実行支援、海外子会社売却に向けたロードマップ策定、新規事業参入を目的とした関連企業群の買収・組織再編、海外買収候補選定・候補先との交渉、金融サービス業の統合等を担当。趣味はサーフィン、読書、旅行など。

大型成約のカギはマッチングにあり。買い手のミッシングパーツを補う出会いを

――入社半年で、大型案件を成約まで持ち込めた秘訣は、ズバリ何でしょう?

今回、譲渡対象会社は順調に事業を伸ばしており、売り主の方は「事業成長を加速させられるパートナーに託したい」との強い希望をお持ちでした。採用活動に効くネームバリューがあり、かつ対象会社の強みを活かせる形でパートナーシップを築ける買い手を求めていたのです。こうした売り主の想いを汲み取ったうえで、希望に沿った買い手候補とマッチングできたことが一番大きかったと思います。

ファーストコンタクトの際の買い手の反応をスピーディー、かつダイレクトに売り主にお伝えしたことも、スムーズな進捗につながりました。私から約40社にファーストコンタクトを取った後、6社が次のステップに進み、そこから売り主にも交渉の場に入っていただいたのですが、事前に買い手の関心事や目線感を的確に把握いただいていたおかげで、充実した面談になったと思います。成約までの道筋をイメージしつつ、ポイントを押さえたピッチをされたので、買い手も安心感を持たれたようです。

成約後、売り主からは「最終的に満足のいくディールになりました」と言っていただき、約5カ月間の活動が報われた思いになりました。買い手からも「中期経営計画に掲げた成長戦略に、見事に当てはまる会社を紹介いただきました」との言葉を頂き、嬉しかったですね。

――康さんにとって、スタートアップのM&Aを成約まで導くのは初めての経験だったと思います。振り返って、特に学びになったのはどんな点ですか?

スタートアップM&Aでは、「フェアバリュー」の基準は本当に買い手次第なのだと感じました。もちろん、DCFやマルチプルである程度までは絞り込めますが、その先の評価は、買い手のニーズにどれだけマッチしているかで大きく変わってくるんだなと。

そんな中、買い手の戦略上のミッシングパーツを満たすような会社や事業を紹介できれば、かつ売り主にも「ここならお譲りしたい」と思われるような買い手であれば、譲渡対価の面でもまとまりやすく、双方に心から喜んでいただけることを実感しました。今後もよいマッチングを多数実現できるよう、目利き力を磨いていきたいです。

大手コンサルからスタートアップへ。リーダーシップが身に付く環境を求めて

――前職ではどんな業務を担当していたのですか?

大手会計系アドバイザリーファームで主にPMIのサポートに携わり、新聞をにぎわすような大型案件も担当させていただきました。それぞれに歴史のある会社、ときにはライバル同士だった会社が一つになり、新たなフェーズに入っていくというのは、本当にダイナミックなシーンです。「業界のペインを一緒に解決したい」「市場に新たな価値を生み出したい」といった当事者の熱い想いに接しながら仕事ができたことは、素晴らしい体験でした。

――転職を決めた理由を教えてください。

多いときは100人を超えるプロジェクトの調整役を務めていた中で、私が特にやりがいを感じられたのは、クライアント担当者と直接コミュニケーションを取りながら、最善の施策を導き出すステップでした。そんな中、「M&Aのオリジネーションから一気通貫でリードしてみたい。早いうちにそういう経験を積んでおくことが、リーダーシップを身に付けていくうえで欠かせないのでは」という思いが次第にふくらんでいったんです。

M&Aクラウドから頂いたオファーは、そんな私にとってとても魅力的でした。ただ、自分一人でオリジネーションからクロージングまで本当にやり切れるのか、経験がないだけに不安も大きくて……。迷っていたとき、私の背中を押してくれたのが「Life is either a daring adventure or nothing at all」というヘレン・ケラーの言葉でした。

冒険心を燃え立たせてこそ、時代のフロンティアに立つ仕事ができるのだと、改めて気づかされる思いでした。「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」を掲げるM&Aクラウドで、自分も大胆なチャレンジをしてみるべきだと。ハンディを負いながらも、人生を楽しむことに貪欲だった彼女の精神に刺激を受け、新たな環境に飛び込みました。

チームの力で成約を目指す、MACAPの強みを実感

――入社後、M&Aクラウドに対してどんな印象を持ちましたか?

本当にフラットな組織だなというのが第一印象です。部門間の垣根もなく、たとえば開発部門が今、何に取り組んでいるか、経営陣が何を課題と感じているかなど、逐次全社に共有されていますよね。所属も職種も関係なく、全員で「流通革命」を目指す一体感があります。

MACAP内でも、各自が担当案件をリードしている一方で、チーム全体で情報を共有し、成約に向けて互いに協力することが当たり前に行われています。今回担当した案件で、売り主のニーズに適した買い手候補を短期間にピックアップできたのも、MACAPが定期的に買い手と面談し、生の声を蓄積してきたデータベースがあったおかげです。他メンバーからのアドバイスにも本当に助けられました。

――前職では未経験の業務も多かったのでは?

前職では、プロジェクトや会議にアサインされるところからの業務スタートでしたが、M&Aクラウドでは、売却や資金調達を検討している経営者にアプローチするところから自分で担当します。私の場合、アウトバウンドのコンタクトは全くの未経験だったからこそ、白紙の状態でやり方を吸収できた部分があると思います。もともと初対面の人と距離を縮めるのが得意な方ではないのですが、先方にリラックスしていただき、悩みや課題について語っていただきやすい場になるよう、まずは自分から心を開くことを心掛けています。

――MACAPでは初の女性アドバイザーです。業界全体で見ても、女性はまだ少ないと思いますが、やりづらさを感じる点はありませんか?

時には7、8人の面談で女性は私一人といった状況になることもありますが、特にやりづらさを感じることはありません。アドバイザーに限らず、社会全体で女性がまだ活躍しきれていないのが現状だと思いますが、実際のところ、性別によるハンディはほぼない職種だと感じます。もし「業界に女性が少ないから」という理由でアドバイザーになることを躊躇している人がいるとしたら、もったいないと思いますね。

普段、業務中にジェンダーを意識することはありませんが、唯一気を付けているのは、声のトーンです。女性は比較的、もともと男性より声が高い方が多いですし、私は特に興奮すると高くなりやすい傾向があるのですが、相手の心に届きやすく、説得力のある話し方をするためには、声のトーンは低めの方がよいそうです。前職の男性の先輩から、その人自身も重要な場面では低めの声を出すようにしていると教えてもらい、以来、私も意識しています。

既存のサービスが届いていないユーザーの課題を解決する。そんなスタートアップを支えたい

――自身のステップアップに向け、今後どんな点に注力していきますか?

一昔前に比べると、最近は起業という選択肢へのハードルが低くなっています。そうした中、今後も起業する人が増え、スタートアップの数が増えれば増えるほど、対象となる事業領域はどんどんニッチになっていくと思います。となると、買い手あるいは投資家として関心を持つ会社の数も、自ずと限られてきますよね。そうした中でも、最適な買い手とのマッチングを実現できるよう、自分自身のアンテナの感度を高め、提案力も鍛えていきたいです。

また、売り主に対してはもちろん、買い手担当者に対しても、より行き届いたサポートができるようになりたいと考えています。というのは、担当者が対象会社に可能性を感じても、社内に理解者を増やしていく段階で苦労する場合がよくあります。担当者が思い描いたパートナーシップの実現に向け、少しでもストレスなくフェーズを進めてもらえるよう、社内調整の面でも貢献していきたいです。

――最後に、康さんにとって「スタートアップM&A」とは?

私はスタートアップとは、「まだ解決されていない社会課題の解決を目指す企業体」だと考えています。その課題解決のために必要な資金が届きやすくなる、あるいはM&Aにより、既成企業の力を借りて成長を速められるということは、その会社のサービスを利用する人をエンパワーすることにもつながっていくはず。私にとっては、それこそがスタートアップM&Aに携わるうえでの最大のやりがいです。

先日読んだ記事の中で、身体の不自由な人でも脱ぎ着がしやすく、かつデザイン性の高いファッションブランドを展開するスタートアップが紹介されていました。これなど、まさにユーザーをエンパワーする事業ですよね。既存のサービスでは満たされていないニーズは、まだまだ世の中に無数にあると思います。

私は仕事人生を通じて、「世の中の喜びの総和を増やしていく」ことに貢献したいと考えています。これは実は、私の名前の意味でもあります。私自身、人生を最大限楽しみたいですし、才能とエネルギーあふれる起業家たちをサポートすることにより、起業家自身も、その事業がエンパワーしようとしているユーザーの人たちも、より喜びを感じられる未来をつくりたい。近い志を持つ人や組織同士をつなぎ、最高の化学反応が生まれていくよう、力を尽くしたいと思います。

採用担当者からひとこと

スタートアップM&Aという新しい領域に飛び込みながら、わずか半年で大きな結果を出してくれたことに感謝するとともに、採用担当者としてとても嬉しく思っています。康さんの言う通り、アドバイザーにジェンダーによる差異はなく、むしろ女性起業家が増えている中で女性アドバイザーも増やしていかなければならないと考えています。今後も康さんのようにバリバリ活躍してくれる女性アドバイザーが弊社から生まれるように、採用や環境整備などを進めていきたいと考えています。
(M&Aアドバイザリー部 部長 マネージングディレクター 村上 祐也)

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